映画「アングリースクワッド」を観てきました

U-NEXTのポイントが期限切れ間近。僕にとっていつものことなのですが、使わないともったいないので映画チケットに交換して観に行くことにしました。今だと「ドクターX劇場版」や「モアナ2」が人気のようですが、どちらも前作を観ていない僕にはピンと来ず…。他に何か面白そうな映画はないかと探して見つけたのが、「アングリースクワッド公務員と7人の詐欺師」でした。

なぜこの映画を選んだか？

実を言うと、この映画を選んだ理由はかなりシンプルです。「カメラを止めるな！」の監督作品だったから。といっても「カメラを止めるな！」も未視聴だったので、まずはそちらをU-NEXTでチェック。これが面白かったら見に行こうって思ったわけです。結果、めちゃくちゃ面白かった！当時の話題をかっさらったのも納得だなーと思いました。微妙なB級ゾンビ映画から始まり（話題作って知ってなければここで脱落してたと思う）監督として、父として、で繰り広げられるストーリーラインにグッと来ました。登場人物も皆、生き生きとしてて…。これなら監督の新作も期待できると思い、劇場に足を運ぶことにしました。

ちなみに「カメラを止めるな！」って6年前の映画なんですね。マイリストにずっと放置していた自分に驚きつつ、「観るなら今だ！」とようやく腰を上げたわけですが、見てよかった。きっかけがあってよかったと思います。

観客数10人未満…快適な映画体験

あらかじめ劇場のサイトで調べると、上映回数は1日1回のみ。公開から1ヶ月近く経っているのもあり、いつ上映終了してもおかしくない雰囲気ですね。
でも、おかげで観客は僕を含めて10人以下。静かで快適な環境で観られたのはラッキーでした。

おじさんの葛藤と奮闘がリアルで心に刺さる

物語の主人公は税務署に勤める真面目なおじさん。家族を支えるために仕事に励み、理不尽な環境にも耐えつつ、それでも若い世代には振り回される日々。そんな彼が詐欺師（岡田将生）に絡め取られるような形で、詐欺師の一員になり、脱税している悪役（内野聖陽）から未納分の税金＋アルファ（詐欺師たちの取り分）を徴収するために罠を仕込んでいく。

この「おじさん」の描き方がとにかく秀逸でした。重ねてきた年齢ゆえの不器用さや疲れ、それでも何とか家族や仕事のために踏ん張る姿が妙にリアルなんです。しかも、ただの悲壮感だけじゃなく、経験を積んだ分だけそこそこの実力も備わっている描写が絶妙でした。「辛くても、家族のために頑張るおじさん」という姿が胸に刺さると同時に、物語にリアリティを与えていました。

それに悪役である内野聖陽のクズ野郎っぷりもとても良かったです。
現実味があるギリギリのラインのクズ野郎を表現しているのでリアルさがすごい。見れば誰もが主人公と同じく「この野郎…！」と気持ちを一緒にすると思います。

監督の「カメラを止めるな！」でもそうでしたが、おじさんたちが日々抱える「家族のために」「仕事だから」「何とかこなさなきゃ」っていうのを表現するのがうまいんですよね。アングリースクワッドはそこに「同僚の無念」も加わってグッとくる部分が増えましたね。

ストーリーは王道ながらスッキリ爽快

ストーリー自体は、税務署職員が詐欺師たちの世界に引き込まれ、悪役を成敗するというものです。後半の展開は王道で、ある程度予想がつく内容でしたが、むしろその安心感が心地よく、最後までストレスなく観られました。

特に良かったのは、タイトルにある「7人…？」という序盤から感じていた謎が、きちんと物語の中で回収されるところ。「そうそう、そうだよね！でないとおかしいもんね！」となんだかやけに嬉しかったです。

ただ、詐欺師の人数が多いためキャラクター一人ひとりの描写がやや弱かった点は少し残念。それでも、全体としては十分に楽しめました。

小澤征悦さんの悪役にびっくり！

悪役として登場した小澤征悦さんが印象的でした。実は数日前にたまたまYouTubeで「さけるグミのCMを視聴する外国人の反応」という動画を観ていたばかりで、まさかその彼が悪役として出てくるとは思わず、変な運命を感じてしまいました（笑）。コミカルなCMとは打って変わって、劇中では非道でずる賢い役柄を熱演。そのギャップの部分でも楽しめました。